「運送」と「運輸」、どう違うの??

物流の業界のことを考える時、いつも思う疑問があります。それは「運送」と「運輸」って、似た言葉ですが、何が違うのでしょう?ということ。基本的には似た意味で、どちらも人や物を有償で運ぶような業務を指します。実際、世の中の会社を見てみると、トラックで同じように物を運ぶ会社が「〇〇運輸」と掲げる例も「××運送」と掲げる場合もありますよね。どこが違うのでしょう?
調べてみると、一般的には鉄道や船、飛行機など大掛かりな装置で運ぶのは「運送」とは言わない、つまり大掛かりな装置が要るのは「運輸」と呼ぶという違いがあるようです。確かに、新聞やテレビで、飛行機や鉄道を「運輸業」と表記されることはあっても、運送業と呼ぶことって、あまりありませんよね。逆に言えば、トラックで物を運ぶ業者は「運輸」と言っても「運送」と言っても良い、ということになります。

トラックで物を運ぶ仕事は「貨物自動車運送業」

しかし、本当にそうやって分けられているのでしょうか。試しに、四国運輸局のホームページを覗いてみました。「運輸局」というのは業務として人や物を運ぶ事業者に許可を与える機関ですね。鉄道やバス、トラック、タクシーといった業務は運輸局による許可制ですから、こうした会社は会社が運輸局の監督下に置かれています。
不特定多数の荷主の貨物を自動車で運ぶ業務は「一般貨物自動車運送事業」、特定の荷主の需要に応じ、自動車で貨物を運ぶのは「特定貨物自動車運送事業」と言います。これらの業務を始めるには、営業所や事業用の自動車、資金計画などについて運輸局の審査を受ける必要があります。見慣れないのは「資金計画」でしょうか。察するに、こうした事業者が誰かの荷物を預かって仕事をします。ある日突然に倒産してしまうと、荷物を預けた人(事業者)が困るから、ということでしょうか。
ちなみに、他には第一種貨物利用運送事業、第二種貨物利用運送事業、貨物軽自動車運送事業などがあります。